フォスフォフィライトちゃん大好きクラブ

宝石の国からフォスフォフィライトちゃんを知ったにわかオタクが垂れ流すブログです。

アンタークチサイトを作った(その1)

はじめに

 

みなさまこんばんは。

今日はアニメ宝石の国11話放送ですね!

 

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最近はめっきり寒くなってきて、ちょうどいい機会なので、アンタークチサイトの人工合成に挑戦してみました。

そしたら思いのほかいい結果が得られたので、取り急ぎご報告いたします。

長いので2部構成で!

 

 

アンタークチサイトとは?

 

アンタークちんアンタークチサイト(Antarcticite)は、その名の通り南極(Antarctica)で産出します。

融点は29.9℃。室温付近に融点が存在する珍しい鉱物です。化学式はCaCl2・6H2Oとなります。

南極石 - Wikipedia

 

日本語に直せば、塩化カルシウム6水和物。

雪国の人であれば、塩化カルシウム(塩カル)は親しみのある化学物質でしょう。

塩カルは、水の凝固点を大きく降下させる性質から融雪剤として用いられているからです。そのため、実験用の試薬としては珍しく容易に手に入れることができます。

 

じゃあ、アンタークちんも作れるんじゃないの?

やってみよう!

 

ということでやりました。

 

冷やして固める

塩化カルシウム6水和物は、重量比で塩化カルシウム(無水)が50.66%、水が49.34%含まれています(Calcium Chloride A Guide to Physical Properties, Occidental Chemical Corp.)。

つまり、だいたい1:1で混合して、冷やして固めればアンタークチサイトはできるわけですね。

というわけで、作っていきます~。

材料は以下の通り。

 

<試薬>

無水塩化カルシウム 25g

精製水 25g

 

<実験器具>

ボウル

ビーカー

スポイト(使い捨て)

プラスチックスプーン(使い捨て)

小瓶(容量は5 mL程度のものを使用)

 

塩化カルシウムは以下のものを使用しました。

hands.net

50 gで500円程度、安いな……。

水は水道水ではなく精製水を使いましょう。薬局ならどこでも売ってると思います。

 

実験手順

 

手順1. 秤量

塩化カルシウムと水を重量比で1:1となるように秤量し、混合します。今回はそれぞれ25 gとしました。

混合する際、液体がかなりあったかくなるので注意してください。塩化カルシウムの水への溶解は発熱反応です。

 

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(生活感ある実験風景)

 

手順2. 湯せんで溶かす

この段階ではまだ塩化カルシウムは完全に溶け切っていません。温度を上げて完全に溶かす必要があります。

そこで、ボウルに湯を張り、その中にビーカーを入れて混合物を加熱します。

 

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上のように、塩化カルシウムの粒が完全になくなるまでよく溶かします。

この際、不純物が混じってしまわないように気を付けてください。

塩化カルシウムがとけるにつれて、液体はねっとりしてきます。

 

手順3. 溶液を容器に移す

最後に、溶液を用意した小瓶に移します。

小瓶の形状やサイズはまったくの任意ですが、今回は溶液濃度がアンタークちんの結晶化に及ぼす影響を調べるため、約5 mLの小瓶を6個用意しました。

溶液をそのまま小瓶に移したものを2つ(50%CaCl2)。さらに、小瓶に移し替えた後、水を少し加えて、CaCl2の濃度を小さくしたものを4つ(49, 48, 47, 46%CaCl2)をそれぞれ準備しました。

(濃度の調整はスポイトでやったのでかなり適当ですが……)

 

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計6つのCaCl2溶液のうち、左端の1つ(50%CaCl2)は冷凍庫(-20℃)に、残りの5つは室温環境下に置いて様子を見ます。

それでは実験開始!

 

実験結果

 

冷凍庫で30 min保持したアンタークちん

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カッチカチになりました。

溶液内部が全体的に凝固し、液状部はほぼなくなりました。上の部分から数個結晶っぽい形をしたものを取り出すことができましたが、全体的には不定形の、結晶というよりはシャーベットみたいな感じですね。

なんとか表面からピンセットで取り出せた結晶を以下に示します。

 

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できてるー!!

全体的に透明で、針状の結晶が合体しているような形状をしています。

ただ、小さい……取り出せたこの3つは、全体の中では大きい方なのですが。

もう少し大きい、きれいな結晶が見たいですね。

 

では、室温保持の方はどうでしょう?

 

室温でしばらく保持したアンタークちん

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写真は約3時間経過後のものです。

見事に変化なし。

一応室温は15℃程度でおり、アンタークチサイトの凝固温度を考えれば、50, 49%の方は結晶が生じていてもおかしくないはずですが……。

 

溶液内に結晶らしきものは一切見当たりません。過冷却状態になっていると考えられます。

過冷却とは、ゆっくり冷やした水が0℃以下になっても凍らず、注いだそばからその刺激によって凝固していくというあの現象のことです。(以下参考)

注いだ水が一瞬で氷に!? | 自由研究におすすめ!家庭でできる科学実験シリーズ「NGKサイエンスサイト」 | 日本ガイシ株式会社

 

そこで、容器をゆすってみたりデコピンしてみたりしましたが、全く変化しません。

アンタークちんの眠り(過冷却)はかなり深いみたいですね。

面白い!

 

まとめ(+次回予告)

 

当初の目論見通り、無水塩化カルシウムを水に溶かし、冷やして固めるだけでアンタークちんをつくることができました!

すごい簡単!

 

でも、できた結晶はまだかなり小さいです。

 組成的にはアンタークチサイトだろうけど……なんか思ってたのと違う……。

 

↓こういうのがほしいですね。

南極石

Antarcticiteとは(鉱物図鑑 Weblio辞書)より引用

 

というわけで、アンタークチサイトを作った(その2)では、上のような結晶を作りたいと思います!

というかもうできてます!

今から書きます!

 

では。